「世界でもっとも安全な車」として知られているボルボは、近年特に車両デザインの評価が上がり、熱く注目されている自動車メーカーです。
しかし実際にボルボの購入を検討するとなると、「維持費や修理費が高そう」「壊れやすそう」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ボルボに対して感じやすい費用や機能の不安についてわかりやすく解説していきます。
現在自動車ディーラーで勤務している筆者が、ボルボの魅力も含めてご紹介していきます。
愛車選びの参考にしてみてくださいね。
ボルボを買ってはいけない5つの理由とは?
ボルボを買ってはいけない理由としてよく挙げられる意見や疑問は以下の通りです。
以上を見ると、「車両本体の価格」「メンテナスや修理代金」「耐久性」に関する不安を感じる方が多いとわかります。
実はボルボの「維持費」は国産車の同クラスと大きな差がありません。
まずは「ボルボを買ってはいけない」と言われる理由について、真偽を含めて解説していきます。
①故障しやすい?
車好きの間で、「ボルボは故障しやすいメーカー」であると、名前が挙がってしまうことがあります。
事実、実際に愛車にしている人からも「日本車と比べると故障はしやすい」という意見が目立っているので、ある程度の心づもりはしておいた方が良いでしょう。
▼ボルボは故障しやすい口コミ
外車は一般的に壊れやすいモノが多いです。日本車を基準に考えたらダメダメ!修理代も国産より高いしね。覚悟はした方がいいですよ。 引用元:Yahoo!知恵袋 ID非公開さん
輸入車は、日本の多湿に電気系統がヤラレちゃうんだなぁ~。 引用元:Yahoo!知恵袋 ID非公開さん
特に電気系統の故障はボルボを始めとする輸入車全体の宿命で、日本の高温多湿に耐えられずに不具合が出やすいという傾向がみられています。
しかし、エンジンや足回りなどの車の根幹に関わる不具合の発生頻度は高くありません。
さらに最近では海外自動車メーカーの耐久性・品質が急上昇しているため、一概に「ボルボは壊れやすい」とは評価しずらく、大きな進化を果たしています。
車の不具合の発生頻度を調査したランキングにおいて、ボルボは輸入車の中で優秀な成績を納めています。
むしろどんなに耐久性が高い自動車であっても、メンテナンスを怠れば故障の原因に繋がります。
しっかり愛車をメンテナンスしてるボルボオーナーの間では「壊れやすさを感じたことはない」と評している人が大半です。
こまめな点検やメンテナンスを心掛けることで、格段に愛車を故障から守ることができますよ。
②維持費が高い?
気になるボルボの維持費ですが、年式や車両状態・搭載エンジンによって左右されるものの、一概に国産車より高いというわけではありません。
最近のボルボはハイブリッドはもちろん、PHEV(プラグインハイブリッド)も積極的に展開しています。
一見して高そうと思われている税金面も、助成金や減免制度を上手く活用することで国産車を乗るより維持費用を抑えられるポテンシャルがあります。
以下リンク先の公式サイトで、ボルボの各車両に対して受けられる税制優遇・補助金の金額が確認できます。
▼維持費の比較(年間1万キロ走行として)
ボルボ (XC40の場合) |
マツダ (CX-5の場合) |
|
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燃料代 | 約11万円※1 (ガソリン車:14.2㎞/L) |
約10万円※1 (ガソリン車:14.8㎞/L) |
自動車税 | 36,000円/年 | 45,000円/年 |
車検総額 | 100,000円 (重量税・自賠含む) |
80,000円 (重量税・自賠含む) |
※1 ガソリン1L当たり155円で算出
以上のように、大まかな維持費用を比較すると国産車の同クラスと大きな差が無いことがわかります。
ボルボに関しては固定費より、細かなメンテナスや小さな故障に費用が掛かりやすいというポイントを覚えておきましょう。
③値段が高い高級車?
現在のボルボはブランド戦略の成果もあって、「値段が高い高級車」といえるプレミアムブランドの一つとして進化を遂げました。
以前のボルボは「スウェーデンのトヨタ」と称されるほど、安全性が高い大衆車を中心に製造販売されていました。
▼ボルボが値段が高い高級車となった理由
- 会社売却を境に、車両デザインとブランド戦略を一新して大成功した
- 高品質で洗練されたシンプルなデザインが受け入れられた
- 価格に見合う多彩な性能が評価された
このような変化を伴ったボルボですが、国産車と比較すると確かに価格はやや高価になりますが、他の高級車ブランドと比較するとやや手頃な位置づけです。
車の価格は「ブランド性」はもちろん、「先進技術」や「装備」「オプション」によっても大きく異なります。
広告ビジュアルやモダンな車両デザインからは高級感が漂っており、憧れを集めやすいブランドに変貌を遂げました。
しかしボルボの根幹である「先進技術を追求し続ける」というスタンスは変わらないため、「高いだけの車」という訳ではないことも開発姿勢から伝わってきます。
④デザインがダサい?
以前のボルボは角ばった硬いデザインが「ダサい」と評されることが多くみられました。
▼ボルボがダサいという口コミ
ボルボ北欧デザインのはずなのになんかダサい 引用元:Twitter@noritama_party2
へー、スウェーデンではボルボはダサい車の象徴なのか。。 引用元:Twitter@blender233a
以上のような意見はあるものの、現行車種たちはモダンとスカンジナビアデザインが上手く融合された優れたデザインであると、多方面から高く評価されることが増えつつあります。
「スカンジナビアデザイン」とは、シンプルかつナチュラルで機能性に富んだデザインを指します。
北欧デザインらしい主張しすぎないスタイルと、落ち着いた印象との「知性」を感じさせる抜群のデザインバランスに一目惚れしたと語る人もいるほど。
車内インテリアにも明るい色を設定しており、ドライブをより楽しいものにしてくれると絶賛されています。
もちろんデザインに関する評価は個人の主観によって大きく左右されますが、ブランド刷新以降は「ダサい」と言われることが格段に減少しました。
⑤バッテリー上がりしやすい?
ボルボは他メーカーと比較しても、特にバッテリーが上がりやすいという事実はありません。
バッテリーが上がる原因としては、以下のような問題が考えらえます。
- 経年劣化によるバッテリー上がり
- 短距離走行を繰り返すことによる充電不足
- 電気を消費する装飾・装備過多
- ライト・室内等の消し忘れ
- 長時間エンジンをかけず自然放電した
以上のような原因はボルボだけでなく、すべての自動車に当てはまります。
一度上がってしまったバッテリーは自己回復しません。エンジンがかかりにくい、ライトが暗くなったと感じたらバッテリーチェックをしましょう。
最近の車は制御装置や安全機能(レーダーなど)を稼働させるために、バッテリーに備蓄している電力を消費します。
ボルボのいずれの車種もこれらの機能をしっかり搭載しているので、バッテリーへも負荷がかかっていることは予想されています。
ボルボが人気の理由は?3つの特徴
ボルボが2021年に世界累計台数70万台を突破するほどの人気を持つ理由には、以下の特徴が挙げられます。
ボルボと聞くと、何となく「安全な車」「頑丈そう」というイメージを強く持っている方も多いのではないでしょうか。
事実、ボルボの歴史とは「自動車業界の安全性向上の歴史」といっても過言ではありません。
優れたデザイン性に安全性能がミックスされた、今のボルボの人気の秘訣について解説していきます。
①頑丈で事故に強い
ボルボの車体はいずれも頑丈かつ強靭なボディー構造を持つ車として有名で、メーカー自身も自分たちの車の強度に絶対の自信と誇りを持っています。
その表れとして、新車を30メートルの高さから落下させるクラッシュテストなどのあらゆる衝突テストを繰り返し行い、その結果も公に公開しています。
▼ボルボが頑丈な理由
- 超過酷なクラッシュテストを経て、事故時に車や人体がどう変化するかまで熟知
- 多重層構造や圧延技術などを用いた重量化しずらい製造技術を保持している
- 事故の衝撃吸収に富んだボディ骨格
車は硬ければ頑丈というわけではなく、衝突の圧力を逃がすために柔軟性も必要です。
ボルボの本社があるスウェーデンの冬は非常に厳しく、道路状態もよくありません。スリップ事故や野生動物との衝突も含め、あらゆる事故に対して搭乗者を守る仕組みが取り入れられています。
②安全性が高い
ボルボの安全性の高さはボディそのものの強度だけでなく、機能や仕組みにも組み込まれています。
もっとも有名なエピソードが、現代の自動車にも用いられている3点式シートベルトをボルボが開発したという点です。
この3点式シートベルトが登場したのはなんと1959年で、その後一人でも多くの命を救うために特許を無償で公開し、今日まで搭乗者の命を守り続けています。
この他にも、近年日本でも義務化が進んでいる、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能を2008年の段階で全車標準仕様に設定するなど、一歩二歩先を行く安全意識の高さは、自動車業界に大きな影響と功績を残しています。
「世界でもっとも安全な車」と称されるボルボは、TOP SAFETY PICK award2022で、対象車種すべてが最高評価のTSP+を獲得しています。参考:TOP SAFETY PICK award2022
③女性にも人気
ボルボは上品なデザインが女性ドライバーに人気が高いため、自身の愛車に選ぶ人が増えています。
▼ボルボが女性に人気の理由
- 派手すぎない流麗なボディーデザイン
- 引き立たせる豊富で絶妙なボディーカラー
- 高級感がある、明るいカラーのインテリア
- 十分な積載量と使い勝手の良さ
- 大きすぎず取り回しの良いモデルが多い
- 世界トップクラスの安全性能
ご自身で運転するときの満足感はもちろん、上記のようなデザイン性の良さから、他のドライバーへ好印象を与えやすいという点にも注目です。
女性が愛車で選ぶ場合は40シリーズのコンパクトタイプが人気で、サイズ感と運転のしやすさが「ちょうどいい」と好評です。
ボルボの中古はなぜ安い?
引用元:ボルボ・カー・ジャパン-VOLVO SELEKT 認定中古車
ボルボの中古がなぜ安いと言われるのかというと、最大の理由は低年式車の故障の発生頻度・可能性が他メーカーより高いという点が挙げられます。
特に低年式車のボルボを検討する際は、必ず故障に関するリスクを理解しておくようにしましょう。
▼中古のボルボが安い理由
- 低年式なほど、日本の環境に適応できずに故障の可能性が上がる
- 故障した際の修理費が高額になりやすい
- 保証・車検切れ
- 中古車ボルボのニーズが高くない
- 故障頻度が特に高いトランスミッションやパーツを搭載したモデルがある
低年式車や総走行距離が長い車はそれだけ故障のリスクが跳ね上がり、「購入後の修理で高い買い物となってしまった」という話はよくあります。
大手販売店や正規認定中古車であれば保証や事前の状態チェックは万全ですが、それでも前オーナーがどのような扱いをしてきたかの全てはわかりません。
特にボルボは「故障のリスクが高い」ことが広く知られており、中古車のニーズが低く高値で販売されることが少ない傾向があります。
ボルボはどこの国の車?
引用元:ボルボ・カージャパン
ボルボはどこの国の自動車かというと、厳しい寒さの国・スウェーデンで発祥したメーカーで、正式名称を「アクチエボラグ・ボルボ〈Aktiebolaget Volvo〉」といいます。
創業から約95年経った現在でもスウェーデンに工場を置き、世界各国に展開している多国籍企業として知られています。
ボルボは2010年に中国の浙江吉利控股集団傘下となったものの、中枢機能はスウェーデンに現存しており、独自性を保っています。
この2010年の買収によって潤沢な資金を得たボルボは、新たなデザイナーを迎え入れたりブランドイメージの転換を行うなどの改革を実施。
「ボルボ=高級車」としての認知を広げていき、目覚ましい業績回復を果たしています。
ボルボは金持ちの象徴?オーナーの年収は
ボルボは国産車と比較すると高価で、車両デザインの雰囲気も相まって、金持ちの風格を見せるブラントに含まれます。
また、ボルボの顧客は51~53歳が中央値であり、平均年収が1300万円から1500万円くらい※と言われています。
参考サイト:NIKKEI STYLE-「ライバルをおとしめない」絶好調ボルボ社長の戦略
これらの数値は、高級車として知られているメルセデスベンツやBMW、アウディと言ったハイブランドと並びます。
しかも年収1,000万円以上の方は、現在の日本で全体の3.5%程度しかいないので非常に少数です。
しかし年収が1,000万円を切っているからボルボには乗れないという訳ではありません。
ボルボでは月々の支払いを抑えるアクティブローン(残価設定型ローン)も実施していて、1.7~1.9%の低金利で利用できるため、上手く活用することで計画的に車を購入することも出来ます。
上記のようにさまざまな支払い方法が用意されていたり条件も異なってくるので、店頭のプランナーに相談しながら支払い計画を経てることがおすすめです。
まとめ
ここまでボルボを買ってはいけない理由や人気のポイントについて解説してきました。
▼まとめ
- 最近のボルボは故障が減り、日本の気候下でも大きな故障が少ない
- ブランドの革新によって車両デザインの評価が上がっている
- 世界の自動車業界をけん引するトップクラスの安全機能
- 過酷なクラッシュテストを繰り返している
- 国産車より高い価格とデザイン性で、徐々に高級車として扱われている
ボルボは車としての魅力を高めつつも、搭乗者を守るための技術開発に余念がない安心性が高いブランドです。
シンプルで上品な佇まいから、余裕がある大人の車としても見られることが多くなったボルボの魅力を是非お楽しみください。
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