プリウスの中古車は流通在庫数も多く、価格帯も安いので非常に人気です。
その一方で「プリウス50はデメリットが多いのでやめたほうが良い?」「プリウスPHVの中古車は補助金が出ないって本当?」など、気になることが多い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、中古でプリウスを購入検討中の方に向けて上手に車を選ぶコツを解説していきます。
▼この記事に書いてること
国内自動車ディーラーで勤務している筆者が、中古のプリウスの上手な選び方をわかりやすく解説していきます。
プリウスの中古車はやめたほうがいい?メリットデメリット
「プリウスの中古はやめたほうがいい」という評価をする人もいますが、メリット・デメリットを理解した上で中古のプリウスを選ぶことこそが上手なお買い物に繋がることがあります。
まずは代表的なメリットデメリットをご紹介します。
中古のプリウスを選ぶ際にもっとも注意すべき点は、検討している車の年式・走行距離・どのくらいの期間乗る予定か、というトータルバランスです。
プリウスの様なハイブリッド車に使用しているパーツ類には寿命があり、交換には高い費用が掛かってしまいます。
逆にいえば、この「交換パーツ類」に関する注意点さえしっかり抑えておけば、上手な中古プリウス選びができる確率が飛躍的にアップします。
「プリウス」という車種は、中古車であっても非常に優秀です。
目星をつけている中古プリウスの状態や、購入後の保証をチェックすることで、デメリットもしっかりカバーした車選びが十分に可能になります。
中古車は前オーナーの使い方によって状態が異なってきます。信用度が高い販売店で購入することが何より大切です。
プリウス中古車のデメリット
まずはプリウスの中古車を選ぶ際、デメリットになりうるポイントを確認してみましょう。
もっとも敏感になるのはやはり「修理」「故障のしやすさ」に関することです。
「買ったばかりなのにすぐに壊れた」「安い中古を買ったと思ったら高額の修理費で高くついた…」という事態を避けるために、中古プリウスのデメリットを深く知り、自分に最適な車選びの材料にしてみてくださいね。
プリウス50の中古は修理費に注意?
プリウスの中古車の中でも人気の50系は、故障内容によっては修理費が高額になりやすいという注意点があります。
プリウス50で注意したい特有のポイントに「エアコンコンプレッサー」の故障率の高さが挙げられます。
エアコンガスを凝縮する際に使用するコンプレッサーは、故障すると20万円前後の高額修理に発展しやすいパーツのひとつです。
コンプレッサーは7~10年が寿命とされており、なおかつ使わなければ使わないほど短命化していきます。
このことから、「過去にコンプレッサーを交換した履歴がある」か「10年以上前の車両は避ける」といった中古プリウスを選ぶと、コンプレッサーの故障リスクを下げられます。
走行距離が10万km以上はNG?
プリウスを中古で購入する際、一つの目安になるのは総走行距離が10万kmに達しているかどうかというポイントです。
プリウスのようなハイブリッド車は、特有の消耗パーツを複数使用しています。
中でも有名なのが「駆動バッテリー」と呼ばれるもので、故障時の交換工賃も20万円超えと非常に高額になります。
故障の発生リスクが上がる一線が「10万km」と考えられ、一般的にも劣化が始まる目安とされています。
しかし10万kmを超えると著しく壊れやすくなるわけではありません。
15万・20万km以上走っていてもハイブリッドシステムに何ら問題が生じず、交換せずに走り続けることができるプリウスもあります。
車を構成しているパーツはいずれも消耗品です。ハイブリッドシステムが健在でも、10万kmを目安にして、その他のパーツが寿命を迎える場合も少なくありません。
中古車は前オーナーの使い方に影響された、いわゆる「アタリハズレ」があるため、見た目がキレイだからといって状態や保証を深く調べずに購入するのは危険です。
総走行距離や年式を問わず、品質チェックをしっかりしている販売店を選び、修復歴なども確認した上で購入をするようにしましょう。
プリウスPHVの中古は補助金がない?
プリウスPHVを中古で購入しても、補助金をもらうことはできません。
プリウスにはコンセントから充電して走行時に充填できる「プラグインハイブリッド(PHV)」が設定されていますが、通常のハイブリッド車と比較しても非常に高価です。
環境にやさしいプラグインハイブリッドを普及させるために使える補助金がありますが、これはあくまでも新車を購入するときにのみ申請ができる制度ですので、ご注意ください。
プリウス中古車のメリット
続いて中古プリウスを選ぶことのメリットを見ていってみましょう。
ご存知の方も多いように、プリウスは燃費性能に優れた車種で、幅広い層のドライバーに選ばれている車です。
そのため市場に出回っている台数も多く、相場も比較的低水準なので中古車でも手が届きやすい上に状態が良い物も多い特徴があります。
特有のデメリットに注意して選ぶと、欠点を上回る高性能の中古プリウスに出会える可能性が高いですよ。
プリウスの中古は安い
年式や状態に左右されますが、中古のプリウスは比較的安い価格で中古市場に流通しています。
2023年は新型のプリウスが発売されたこともあって、下取りに出された旧プリウスが中古車市場に多く出回りました。そのため市場価格も下降傾向に入っています。
たとえばプリウスの競合車と呼ばれるホンダ・フリードの中古車と価格を比較してみましょう。
▼中古プリウス・フリード比較(中央値)
プリウス | フリード | |
---|---|---|
年式:2015年 | 80~140万円 | 80~100万円 |
※(参考):グーネット中古車-プリウス(トヨタ)の中古車相場
※(参考):グーネット中古車-フリード(ホンダ)の中古車相場
※価格は2023年5月の相場を参考にしています。
こう見ると価格差が目立ちますが、プリウスの良さは車全体のクオリティの高さと故障のしにくさです。
953キロ無給油で走るプリウス30系給。もうすぐ28万キロだけど、まだまだ元気。元気だけど今年の9月でリース終わりか。故障殆どしないし今度はリースじゃなく、中古車購入でいくか、、、。迷う 引用元:Twitter-@katu509jp
ワイの30プリウス、気がついたら12万キロを超えていた。 全く故障がなく、ハイブリッドバッテリーもピンピンしているwww 引用元:Twitter-@_sakai_029
価格と性能面を加味すると結果的に「中古プリウスはコスパが優れている」と評されることが目立っています。
中古でも高品質なハイブリッドシステム
高機能なハイブリッド車の代表格であるプリウスは、その時代の時々で最高レベルの品質を誇る機能性をもって発売されています。
もちろん年式が低くなれば機能は古く劣化しやすくなりますが、それでも使うシチュエーションによっては十分な性能を発揮してくれると好評です。
自分も11型プリウス(流行り終わった後の中古ですが)乗ってました 20万キロくらい走りましたが燃費も加速も衰えず堅牢なクルマな印象です 引用元:Twitter-@DEB00116406
今年中古車だけど頭金貯めて5年ローンで50プリウス買ったんだけど今まで乗った車で一番乗りやすいし乗り心地もいい。燃費も毎日1日の出るけど下道100キロくらい走った日30km/L超えてたよ。ガソリンマジで無くならん 引用元:Twitter-@gamedaisuki2021
筆者の愛車もトヨタのハイブリッド車ですが、燃費・機能性には大満足しています。10万kmを突破しても大きなトラブルに見舞われることがありません。
ハイブリッド車が本領を発揮するのは、スピードの加減速が多い街乗りのシチュエーションです。
たとえ低年式であっても、しっかり整備している中古のプリウスなら、街乗りで優秀な燃費性能を発揮してくれることが期待できます。
プリウスの中古車が安い理由は?
プリウスの中古が安い理由は、中古車市場に十分なほどプリウスが出回っているため、供給過多気味であるためです。
安い価格で購入しやすいですが「中古のプリウスは危険」「品質に問題がある」というわけではありません。
プリウスはハイブリッド車が普及した現在でも代表的な車種であり、2022年の段階で国内で累計100万台※の販売を突破した車です。※(参考):Response-国内累計100万台突破…プリウスの歴史を振り返る Part 3(2010~11年)
現在でもモデルチェンジを繰り返しながら進化をし続けているため、旧プリウスから新型プリウスに乗り換える「プリウスファン」のドライバーも大勢います。
流通している台数の分母が多い中、下取りや買取りも盛んに行われるため、常に中古プリウスが潤沢に揃っている状態が続いており、中古車価格も安くなりやすい傾向が強く出ています。
プリウス中古車の相場
中古プリウスの相場は、年式・グレード・色によって異なりますが、人気の50プリウスを参考にすると140~290万円が中央値です。
▼型式別の中古プリウスの相場
型式 | 相場 |
---|---|
30系 | 40~100万円 |
50系 | 140~290万円 |
※(参考):ネクステージ-プリウスの中古車価格の相場は?購入時・売却時の相場をくわしく解説!
機能・安全装備が充実した50系の場合、総走行距離が伸びていても140万円以上が相場となり比較的高額になりやすくなります。
一方で30系まで遡ると40万円台から購入できるなど、格段に手が届きやすくなります。
まとめ
ここまでプリウスの中古車について詳しく解説してきました。
▼まとめ
- プリウス50は人気だがコンプレッサーの故障が目立つ
- 10万km超えは故障のデメリットが増えるが、メンテナンス次第で20万kmでも走れる
- 中古のプリウスPHVには補助金がない
- 品質や性能などの総合評価でみると中古のプリウスは「安い」と評される
- 人気の50プリウスを参考にすると140~290万円が中央値
ハイブリッドカーの代名詞といわれるプリウスは、いずれのモデルも需要と供給が盛んで、非常に人気な車種です。
昨今のガソリン高騰を踏まえてより一層注目を集めるハイブリッドカーを検討している方は、ぜひ中古のプリウスも視野に入れてみてくださいね。
▼参考にしたページ一覧
※(参考1):グーネット中古車-プリウス(トヨタ)の中古車相場
※(参考2):グーネット中古車-フリード(ホンダ)の中古車相場
※(参考3):Response-国内累計100万台突破…プリウスの歴史を振り返る Part 3(2010~11年)
※(参考4):ネクステージ-プリウスの中古車価格の相場は?購入時・売却時の相場をくわしく解説!
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